ヴィンテージ・レトロゲームを楽しむためのゲーム機想像&構想

ヴィンテージ・レトロゲームを楽しむための
ゲーム機想像&構想

人には誰しも、自分にとってホットスポットな時代というものがある。ゲーム史において、私にとってのホットスポットは80's~90'sだろう。

昨今「○○ミニ」と称して、古いゲーム機をそのままミニチュア化し、ソフトを詰めて発売することがひとつの定型となりつつあるが、私はそれらのいずれにも食指が動かない。 時代的にはホットスポットだが、肝心要のコンテンツ、ゲームがホットスポットをはずれている。 足りない。あれではまるで満たされない。 ああいった「○○ミニ」に詰め込まれているタイトルは、児童期から青年期初期にかけ、誤った時間の使い途であろうことを薄々自覚しつつ、それで失われる将来を覚悟で真正面から画面に突っ込んでいった若かりし無謀なあの日の私に言わせればまるでぬるい女子のチョイスなのだ。

ゲーセンに行けば厄介な不良どもと一悶着あって当然の野蛮な昭和時代。 私のジュブナイル期はゲームを1時間やったらブルワーカーで30分筋トレ、という血の気と元気いっぱいの景色であり、ゲームに負けたら血液を抜かれる鷲巣麻雀ならぬ鷲巣対戦があれば本当にやったかもしれない。

そんな狂おしいほどの熱量を注ぎ込んだ趣味のひとつとしての当時のゲームを、今、感慨無量で楽しめる環境、ゲームハードは、結局どこのメーカーも作ることはできないだろう。 それは利益も出なければ、問題も山積だろうから。 だったらせめて想像で「夢のヴィンテージ・レトロゲームのためのハード」を構想してしまおう。

過剰性はゲームにとっても敵である

90年代、パナソニックさんから出た『3DO』というハードの名誉の戦死を目の当たりにした時に、私は直感した。ゲームのスペックにおいても「過剰性」が仇となる可能性は大きいのだと。 モビルスーツの性能の違いが、戦力の決定的差でないということを教えてやるシャア少佐、あなたの言うとおりだ。

私の望むスペックは低く、理想は高い。 ドットの世界に横溢する活力を最大限込める、つまり最適な制限と制約、その結果、最高度の価値を保つ平衡点を見出しやすいハードとは。 過去を俯瞰したあげく、CPUにはカスタムのMC68000とZ80。解像度は360×240でドットが引き立つ解像感。音源は昨今の青天井なスペックではない美しいゲームミュージックの塩梅とはをコンセプトに、メイン音源にFM音源を選択。リッチな音やSE、ドラムパート、音声の強化等にPCMと併用。 画面に咲くはスプライトの華。縦横両刀遣い。 そういえば『ワンダースワン』の設計思想はなかなかシブかったな。 『ドリームキャスト』という哀戦士もいた。 彼ら夢半ばにして散っていった戦士たちに敬意を込め、今回の想像機を「ワンダーキャスト(仮称)」とでも名付けようか。 誰だ、不吉な名前だなんて言ったのは。 ハードの外観は40代が持ってもしっくりくるような、スノッブな雰囲気に。 では早速モックをデザインしてみる。

デザイン(仮構)

ヘアラインメタルのハードな素材と、ウッドの組み合わせにしてみた。携帯機の外観は重要だ。 画面は4~5インチをイメージ。スピーカーはモノラルでいい(イヤホン使用時ステレオ)。縦横に使えるのはワンダースワンゆずり。 物理キー派のためのコントローラーは十字と4ボタン、LRボタン(横使用時)。 START、SELECT、RAPID(連射)。任意のボタンにRAPID(連射)を設定可能。 本体側面にPOWER(電源)、その他各種端子。

イメージ

ヴィンテージ・レトロゲームを楽しむためのゲーム機(仮構)

スペック
CPU MC68000(16MHz), Z80(8MHz)※カスタム
解像度 360×240
音源 FM音源: 16ch, ADPCM: 2ch
メモリ RAM: 64KB, WRAM: 256KB, VRAM: 192KB
同時発色数 65,536色中4,096色
スプライト 640個
BG 3画面
特殊機能 スプライト&BG回転拡大縮小, 半透明, ラインスクロール, フェードイン・フェードアウト, シャドウ
本体内蔵メモリ 32GB
端子 本体側面にイヤホン, Type C, Micro-B
バッテリー 3,000mAh
その他 Wi-Fi, Bluetooth

じつにテキトーなスペックだが、今回は想像遊びなので問題ないとしよう。 このスペックなら2Dであればほぼ問題なかろうということで、次はこの仮構ハードでプレイしてみたいタイトルを考えてみる。 ボタン的に格闘系ジャンルはフラストレーションが溜まりそうなので割愛。

リメイク・タイトル(仮構)/ オリジナル|タイトル名

タイトル
AC 雷電, 雷電II
AC ライデンファイターズ, ライデンファイターズ2, ライデンファイターズJET
AC 19XX
AC バトルガレッガ
AC グラディウス, グラディウスII
AC ファンタジーゾーン
AC プロギアの嵐
AC 大魔界村
AC キャノンダンサー
AC バトルサーキット
AC サイコニクス・オスカー
MVS パルスター
MVS ブレイジングスター
FC 悪魔城ドラキュラ
FC 悪魔城伝説
FC 月風魔伝
FC バッキーオヘア
FC SUPER魂斗羅
FC 烈火
NES Kick Master
MD サンダーフォースIV
SFC スーパーメトロイド
SFC 重装機兵ヴァルケン
GBA キャッスルヴァニア 白夜の協奏曲
GBA キャッスルヴァニア 暁月の円舞曲
GBC ゼルダの伝説 ふしぎの木の実 大地の章
GBC ゼルダの伝説 ふしぎの木の実 時空の章
GB ウィザードリィ外伝II
WS GUNPEY
※オリジナル 北斗の拳 対戦ぱずるだま

とりあえず、思いつくままざっと挙げてみた。 画面縦使い可能ということで、まずはAC(アーケード)の縦シュー(シューティング)のリメイクがしたくなる。 横画面で無理やり縦シューを再現すると、画面左右を削って狭くなったり、敵が近いわ弾幕が近いわでバランスがわるくなりがちだが、そのあたりの問題は解消。 私にとってアーケードのヴィンテージタイトルを持ち歩けるなんて、オーバースペックなスマホよりはるかに価値が高い。

アーケードの移植のみならず、コンシューマー機からの移植にも期待が高まる。高スペック2Dスプライト機でのリメイク&アレンジは、レトロフリークの熱い夢でもある。 ファミコンからのリメイクであれば、当時、VRC6音源で感動的な音を聞かせてくれた『悪魔城伝説』は、さらにパワフルな音源でリメイクされたら、また性懲りもなく感動してしまうに違いない。 『月風魔伝』『バッキーオヘア』『SUPER魂斗羅』『烈火』あたりもリメイクの伸びしろがたっぷりありそうなタイトル。リメイクにおいては是非、『月風魔伝』で主人公・月風魔の上半身と下半身があべこべになってしまう現象や、『SUPER魂斗羅』でスプレッドがちゃんときれいに5方向に出るよう調整されてほしいと願う。 また、『Kick Master』のような海外NESの名作もリメイクでプレイできたら、どんなに嬉しいことだろう。

その他、表現の制限・制約が非常に大きかったであろう旧携帯機からのリメイクは、もっとも化けるリメイクになるだろう。 GBA(ゲームボーイアドバンス)『キャッスルヴァニア 白夜の協奏曲』『キャッスルヴァニア 暁月の円舞曲』はPS(プレイステーション)版の『悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲』と並ぶクオリティになるだろうし、GBC(ゲームボーイカラー)の『ゼルダの伝説 ふしぎの木の実』も元の完成度が高いだけに、リメイクによる純粋なパワーアップは確実だ。 GB『ウィザードリィ外伝II』、WS(ワンダースワン)の縦使い向きパズルの名作『GUNPEY』も加えたい。携帯機のRPGはハクスラ(ハックアンドスラッシュ)がちょうど良い。ヒロインも邪魔、見ず知らずの人助けも煩わしい。娑婆気などいらん。ゲームこそまさに今だけ金だけ自分だけ全開でスカッとあざやかに振る舞える仮想時空さえ与えてくれればよいのだ。『GUNPEY』は知る人ぞ知るパズルの名作。落ち物パズルの亜種が大量発生するなか、異彩を放つゲーム性とその中毒性は経年劣化しない永久ものだ。

最後の『北斗の拳 対戦ぱずるだま』のみ架空タイトル。想像上熱く希望する、北斗の拳キャラの対戦ぱずるだま。 北斗三兄弟と南斗六聖拳に加え、五車星、元斗はもちろんのこと、ジャギ、アミバ、牙大王、ゲイラ等、主人公のケンシロウを上回るインパクトを世紀末に刻んだ面々が勢揃い。 ちなみに私の使用キャラは、『跳刀地背拳のフォックス』か『ヌメリ』、『ボルゲ』あたりであろうことはまちがいない。 隠しコマンドで『病んでいないトキ』、『鬼モードのフドウ』が使えるが、最強キャラの呼び声が高い(激しい想像)。

ソフト供給は『バーチャルコンソール』のようにダウンロード形式を想定。その際、パッケージやポスターがオリジナルそのままに、タイトルリストの画になってほしいところ。 自分で書いていて、本当に欲しくなってきた。