効果的なサムネイルの作り方

ロゴとは「個」を伝えるシグネチャでありID

ところで「ロゴ(logotype)」とは何のためにあるものでしょうか。 企業や団体として、ロゴぐらいないと格好がつかないから、とりあえず用意するものでしょうか。 ブランディングには欠かせない要素だから、用意するものでしょうか。 それもあります。 しかしもっと本質的な機能のために、ロゴはあると考えます。 それは、「個」を伝えるシグネチャ(署名、signature)、あるいはID(識別子)としての機能である、ということです。

日本で最も人数の多い名字は「佐藤」さんということらしいですが、膨大な数の「佐藤」さんのなかから、幼馴染の「佐藤」さんを特定するには、人間であればその人の前に立って顔を見ればわかります。

これが企業や団体だとしたらどうでしょう。 「佐藤商店」という店が全国に膨大な数あったとして、あなたが長年の信頼関係を築きお付き合いしている「佐藤商店」を情報空間から見つけ出すためには、「佐藤商店」とググってリストアップされる膨大な数の「佐藤商店」からその佐藤商店を特定しなければいけません。

そんな時、どこを見ても「佐藤商店」という文字情報だけでは、どれが自分のお気に入りの「佐藤商店」なのか、確証が得られないことには最終的なアクセスができないことでしょう。 その確証として、あるいは幼馴染の面影のように機能するものが「ロゴ」でもあります。 ロゴはあふれる類似物の中にあって、その「個」ならではの筆致で「個」を証明する「シグネチャ(署名、signature)」であり、「ID(識別子)」でもあるのです。

ロゴ化するには、
まずコンテンツとしっかり向き合う

では、ここからはどのように「ロゴ化」していくかの実践へと進みます。 サンプルとして、今回は「車中泊の楽しみを伝えるコンテンツ」を主とした「FREE DRIVE」というメディアのロゴを作ってみましょう。 まずは何もロゴ化されていない「FREE DRIVE」という文字をただ打っただけのもの。

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これでは同じ「FREE DRIVE」という類似物の海に落ちたら、もう探し当てることはできないでしょう。 そこで、まずはコンテンツに注目します。 名は体を表すという言葉がありますが、ロゴデザインというものもまた「実体を表す」ものです。

そのため、色・カタチから入るのではなく、まず中身。コンテンツとしっかり向き合うことが大切です。 類似のコンテンツであっても、そのコンテンツのどこにフォーカスし、どう形象化するのかによって、ロゴとなり識別子となります。

「車中泊の楽しみを伝えるコンテンツ」ということから、中心軸となる概念は「車中泊」、そこから放射思考(マインドマップ)的に関連概念を拾い集めていきます。 実際にはノートに手書きで、テンポよく、関連イメージ、関連ワードを拡げていきます。

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ざっと拡げたら、ここから「車中泊」のロゴに使えそうな直感的なイメージ、カタチをピックアップしていきます。 今回は「一人旅のような解放感、楽しい時間」と、車の普遍的なパーツである「タイヤ、ハンドルの円いイメージ」を使ってフォルムを作っていきます。

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円から「FREE DRIVE」の「F」と「D」を作り、魚眼の中心に車を配してベースの文字を敷いてみます。 文字はイタリック体のようにシアーをかけ、車の動き、ムーブ(move)感を出します。

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フルカラーバージョンでは、「F」と「D」に魚眼で広がる空のイメージの爽やかなブルー、中心は沈む夕陽(or朝日)のなかを走る車とし、進出色の赤系でタイトル文字とともに前に出します。

これで「FREE DRIVE」というありがちな名前であっても「個」を特定できるシグネチャ化、ID化できました。 今回はメッセージ入りバージョンも加え、使い分けられるようにします。 さまざまな媒体で機能させられるよう、モノクロでもフルカラーでも、大きく扱っても小さく扱っても、同じ見え方、強さであることが大事です。 そのため、色やドロップシャドウといった演出にインパクトを頼ることなく、シンプルにフォルムで機能させられるようにします。

ヘッダー画像も、ロゴによってシグネチャ化、ID化できました。

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以上、ざっくりですが、ロゴの機能、アイデアからフォルムへのフローを書いてみました。 ロゴを作ろうという時、少しでも参考になれば幸いです。