これからの地域特化ショッピングモールを考える

型にはまった同じようなショッピングモールより、
地域特化したユニークなモールの方が、私は足を運ぶ

私が住んでいる市内に、新しく(地域としては)大規模なショッピングモール(以下モール)ができた。 その中身はというと、案の定、全国に林立する他のモールと似たり寄ったりで、百均と、定番の無印良品やユニクロといったチェーンストアに加え、食料品フロアといったお決まりの型だ。 それはそれでモールとしての安定した機能はあると思うのだけれども、ほぼ同じようなモールが車なら20分ほどのところにあるものだから、「最寄りのモール」として近隣住民へアピールする、それ以外の強みがとくに見当たらない。 近隣住民以外が、そのモール目当てで行く必要性がそれほどなく、その点ではコンビニと大差ない。 私も足を運んでみたものの、すべてが新しくピカピカだった、という感想以外とくになく、そこへ足繁く通うことはないだろう。 真新しいフロアを歩きながら、ではここからその真新しさがなくなっても売りになるものが在り続けるようにするには、どうしたものだろうかと考えてみる。 そして、それはやっぱり「個性」しかないよな、と思い至る。 そこにしかない、地域特化したユニークな何かがあれば、多少遠方からでも足を運んでくれる人が、継続的に、かならずいるはずだと。

ありきたりじゃないモールを考えてみた

地域特化したモールとなると、求められるのはどんなことだろうか。 まず、その地域が他の地域とは若干でも異なる、秀でた個性、特性を前面に出すことはもちろん、モール以外の側面をもたせることも重要だろう。 たとえば、地域が某かの災害に遭った時に、必要な機能を提供できる拠点であることは望ましい。 また、現在、逆風のなかにあるさまざまな国内の地域の共通課題として、地域経済および地域の自律性(autonomy)の観点から、たとえば地産地消6次産業化へのチャレンジ精神、開拓精神の発信点になることも望ましい。 さらに、厳しい予想がされる今後の地域経済・環境のセーフティネットとなれば、それも望ましい。

週末にただぶらりと訪れやすい場所という惰性にぶら下がるのではなく、新しいコンテンツ、新しい機能といった、モールとして新しい価値の提供で、近隣住民のみならず、人の意識のなかに積極的な思いとともに刷り込まれる場が、貧窮していく地域には必要だと思う。

とりあえずざっくり描き起こしてみたのは、地域の電力ソースにもなり、シェルターにもなり、さらに従来型モールを通り越してでも訪れる価値がある場所となるための個性。

ありきたりじゃないショッピングモール(仮構)

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【 4F 】キューブ型個室キャビン:¥2,000/12h ¥4,000/1day

270cm3の完全防音・立方体個室。 室内には、椅子と机、電源、エアコン、ミニ冷蔵庫、ベッド等、基本的なユーティリティを完備。独立キューブ型個室なので、隣室の騒音等もなく、静かなひとりの時間と空間で、趣味や仕事に集中できます。キューブに退屈したらテラスへ。眼下にはキャンプ場の美しい自然が広がっています。 トイレと個室シャワーは同フロアシェアスペースに。

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【 3F 】体験型ストア

実物に触れて、納得してから、ネットで買えたらいいなを実現する、商品を置かない「体験型ストア」。 服や靴なら試着してから、カメラ等ガジェットなら実機に触れてから、音楽なら商品音質で試聴してから、いろいろ納得してから買いたいもの。 オンライン注文時に、発行されるクーポン番号でお得な特典が得られることも。

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【 2F 】ブース型ガレージストア

レアなLP、カセットテープにカセットデッキ、古着、古本、レトロゲーム等、ガレージストア風のフロアに個性を刺激するショップがずらり。なかにはマニア垂涎の掘出物も。物欲のアンテナ、フル稼働。 レアアイテムに邂逅する喜びをぜひ。

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【 1F 】地産地消応援型スーパー

地元産の食材&調理ブースなどが充実したスーパー。 地域の自律性(autonomy)がコンセプトで、6次産業化とその強化を目的とし、開発・加工、プロダクトデザインまですべてを地域で行えるよう、地域産業全体の活性化の窓口のひとつとなっている。

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【 B1 】100&300&500円ショップ

フロアが100均、300均、500均にゾーニングされ、その多種多様な品揃えは人生の大半をフォローするほど。 500円ともなれば、まさかのあんなものまで!?手に入る。

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【 B2 】地下駐車場

普段は地下駐車場として、非常時にはシェルターとしても使えるよう、軍事シェルターと同等の堅牢さを誇る。 また、水や食料の備蓄、独自電源用のエネルギープラントも備えている。

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【 屋外 】キャンプ場:¥300/1day

ショッピングモールと隣り合わせの、不思議で便利なシチュエーションのキャンプ体験。美しい緑や木々に囲まれ、陽の光を浴びられるのに、Wi-Fiも繋がる、おまけにモールにはフリーの電源(USB)もあるからデバイスのバッテリー不安もなし。個室シャワールーム(¥200)、炊事場も完備で、食材はモール1Fで現地調達もらくらく。自然と文明のいいとこ取り。「都合の良いキャンプ体験」もわるくはない。

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【 屋上 】太陽光発電システム

屋上には最新式の太陽光パネルを設置。太陽電池容量/600kWで、災害時等の非常時には自然エネルギーベースの地域の電源として、発電所からの電力インフラが失われた場合でも電力の供給が可能です。

ちなみにこれらはただの仮構であるから、現実的に採算が合うかどうか等の細かい計算や思考は反映されていない。 あったらいいな的な自由な想像、妄想からの仮構。 しかし何事もまず、イメージ、アイデアの時点で積極的になれるかどうか、気持ちが乗るかどうかが重要だと思うので、私自身、こういうモールがあれば、定期的、継続的に足を運ぶだろうということで描いてみた。けっこう楽しそうだ。

国も真にエフェクティブな予算の使いどころは一体どこなのか、アイデアのアクセル、フルスロットルで考えてもらいたいものです。 地域を明るく楽しく元気に、生産的で自律的で活動的になるようコストを使えば、それこそ東京をはじめとした都市部が地震や災害で窮地に立たされた時、最も近くて速くて効果的なバックアップになるということを、地域も都市部も関係なく考えなければいけないと私は思います。

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