ワクワク脳の声を聞く 線条体を元気にする

ワクワクは大脳辺縁系、線条体が担当している!?

どうもやる気がない、気乗りしない、何をやってもいまいち楽しくない、そういう時は誰にでもよくあることだけれども、あまりにも長引いている場合、それはもしかすると「脳の3人の住人」のうちの1人が完全にしょぼくれてしまっているからかもしれない。

脳は大きく分けると3層構造になっている。 いちばん下には呼吸や体温調節等の生命維持を担当する「脳幹」があり、「原始的な脳」といわれる。 その上には本能的な感情や行動を担当する「大脳辺縁系」があり、「動物的な脳」といわれる。 そしていちばん上に、知性や理性を担当する「大脳新皮質」、「高次脳」といわれるものがある。 頭が良いとか切れ者だとかいうのは「高次脳」への褒め言葉、といったところだろうか。 他方、やる気に満ちてワクワクするとか、積極的で前向きだとか、いつも元気で明るいといった、あたかも「性格」として扱われそうなことも、じつは脳の働きによるものだという。 そういう気持ちの張り、元気を担当しているのは、「動物的な脳」といわれる「大脳辺縁系」、そこにある「線条体」ということらしい。 それにしても、脳の部位の名はどうにも覚えにくい。 今回は脳みその話ということで、それらをもっと漫画やアニメのキャラの名前ぐらい覚えやすく、親近感のわくものに変えてしまおうと思う。

というわけで、「原始的な脳」の「脳幹」には「幹」の一字から「ミッキー」、 今回の話の主人公的存在となる「動物的な脳」の「大脳辺縁系」、さらにそこの「線条体」は「条」の一字から「ジョー」、 最後に「高次脳」の「大脳新皮質」は「高次」からそのまま「コウジ」としてしまおう。 ミッキー、ジョー、コウジ、この3人を脳の3人の住人とし、しょぼくれてやる気をなくしてしまった人間の頭のなか、ジョーがやる気を取り戻すまでの話を書いてみることにする。

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人間社会はジョー(線条体)の仕事をあまり評価しない?

ジョーは素直で自分を偽らない良いやつだ。 黙々と自分の仕事に集中する真面目一筋のミッキーも良いやつだが、どちらかというとむっつりで、愛嬌に乏しい。 その点ジョーは感情豊かで、嬉しい時は子犬のようにはしゃぎ、見ているこちらも思わず顔がほころぶことがある。 ただ、今の人間社会は、そんなジョーを生産性がないとか計算が苦手だとか学がないとかいって、あまり評価しないようだ。 そして、そんな人間社会にぴったりマッチしているコウジは、ジョーやミッキーを自分より目下の存在と見下しているようだ。 本来三位一体として機能する脳の住人は、どうも仲違いしてしまっているのが現状のようだ。

ジョー(線条体)を褒めて励まして認めてあげよう

素直で正直なジョーはいつも「美味しそうだな!これが食べたいな!」とか「疲れたからゆっくりしたいな!好きなだけ眠りたい!」とか、楽しいこと好きなことに積極的。 ところがそんな気持ちにいつもブレーキをかけるのがコウジ。 「おまえ、今月は金欠だろ。もっと安いもので我慢しろよ」とか「仕事が辛い、地獄みてえだって、なに寝言言ってんだよ。甘ったれたこと言ってんじゃねえよ。社会ってのはそういうもんだろうが」とか、いつもジョーの笑顔を消してしまうようなことを言う。 毎日毎日、そんなコウジの抑圧を受け続ければ、誰だって元気がなくなるに決まっている。 そしてとうとう、ジョーは何を見ても反応しなくなってしまう。

肩を落としてしょんぼりしているジョーに、もっと優しく接してあげよう。
「キミがいなかったら、たとえ社会的にどれだけ成功したとしても、金儲けに成功したとしても、味気ない、きっと後悔する人生になると、ボクは思う」
と言って肩を抱き、ジョーの温もり、天国からそのまま持ってきたような輝きを称賛してあげよう。
「ただ、コウジもキミのことが憎くて、いつもあんなきついことを言っているわけでもないんだ。今の世の中は本当に厳しい、というか狂ったようなところがあって、そんな世の中で生きていくには、コウジのような考え方も役に立つ。でも、キミだっていつも言われっぱなしでなくていいんだ。自分がどうしても譲れない、正しいって思うことは、貫けばいいんだ。コウジはいつも上から目線で偉そうだけど、じつは本当は自分は間違っているかもしれないって、臆病なところがあるのを知ってるかい?キミが本気で叫んだら、たぶん、コウジは認めてくれるよ。さあ。立って。立つんだジョー」

過去は記憶。未来は想像。
幸福というものは、今此処にしか存在しません

ジョーの望みや希望に耳を傾けよう。 そして、コウジに相談してみるといい。
ジョー「あの脂の滴るチキンをショーケースの中全部、食べたいんだけど!」
コウジ「おまえダイエット中だろ。……でも、1つぐらい問題ないよな。いや、2つぐらいいけるかも。でもそうしたら、歩いて帰って燃やさないとな。美味しいもの食べて、運動もできる。……よし!食うか!」

ミッキー、ジョー、コウジ。 役割も個性もちがう3人だけど、最近、上手くいっているようだ。 仕事に没頭するミッキーも、相変わらず天真爛漫なジョーも、理屈っぽいコウジも、みな、微笑んでいる。

ジョーの役割はきっと、こうだ。 どんな状況でも環境でも、時代でも社会でも、鼻を利かせて小さな希望の欠片も見つけ出す。 ジョーはその特技で、ミッキーやコウジが立ちすくみ、動けなくなってしまった時、なにも迷わなかった、恐れなかった無邪気な子どもの頃の夢へと還して、生をリセットする。そんな役割。 だからジョーは何度でも立ち上がる。 立て。立つんだ、ジョー。

ジョーを立ち上がらせる5つのポイント。
・ジョーの声を聞き、否定から入らずまずは肯定してあげること。
運動をすること。身体はホリスティック(全体性、holistic)なもので、脳の状態は脳のみで決まるわけではない。脳も一緒に運動を楽しもう。
・ダイエットがどうとか体脂肪が気になる、というのはコウジの発想。一方的にコウジの意見を優先せず、等価に聞いて、食べたいものを素直に食べることを大切にしよう。
・ジョーはポジティブなことが好き。だから、失敗しても「勉強になった」と受け止めたり、単調で退屈な作業はBGMを鳴らしてムードを上げるなど、どんな瞬間も楽しむ工夫をしてみよう。
睡眠を大切にしよう。ミッキーもジョーもコウジも、睡眠不足だと皆、パワーダウンする。きちんと睡眠をとり、毎日休みなく働いてくれている彼らに感謝し、休ませてあげよう。

幸福には、明日という日はありません。
昨日という日もありません。
幸福は、過去のことを記憶してもいなければ、将来のことも考えません。
幸福には、現在があるだけです。
今日という日ではなく、ただいまのこの瞬間があるだけです。
――
イワン・ツルゲーネフ

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