携帯料金でカモられない

携帯電話とその料金、世界と比べてどうかというより、
そもそもそのコストに見合った代物なのか、働きなのかにフォーカス

2018年9月19日、総務省は日本の携帯電話料金等を世界6都市間(東京、ニューヨーク、ロンドン、パリ、デュッセルドルフ、ソウル)で比較、「電気通信サービスに係る内外価格差調査」として発表し、一時話題になったけれども、 そもそも、携帯料金に限らず世界平均と比較して適正価格を考えるというのは機械的過ぎるような気もする。

たとえば、日本は「各国の成長率ランキング」と画像検索してもらうと一目瞭然だけれども、約20年間もデフレという縛りプレイを続けているのはランキング国中日本ぐらいのもので、その他この他事情は複雑だ。 携帯料金以前にガラパゴス要素がいろいろある。 事はそう単純ではない。

毎月の固定費でもある携帯料金のことは我々の日常生活に直結した財布と相談すべきことで、ニューヨークやロンドンに聞いてもしょうがない。 それよりも、今一度、携帯電話(スマホ)という道具、その働きを考え、むしろ電気・ガス・水道代や家賃などと比べてどうなのかという方がリアリティがある。

携帯料金体系の複雑さに煙に巻かれないよう注意したい

たとえば電気・ガス・水道代に比べ、携帯料金体系は複雑に感じる。 どーんと赤いゴシックで安値が出ていても、鵜呑みにはできない。 その価格はじつは期限付きだったり、「※」が付いたやや控えめな文字で条件やら何やらいろいろ書いていることがある。 スマホ端末代も大抵は分割払いとして埋め込まれるし、プランも豊富だしで、電気代のように「今月はけっこうエアコンを使ったからなあ」という単純さがない。 ゆえに煙に巻かれやすい。

これら複雑な料金体系を計算する時は、「月あたり」として一切合切ひっくるめてしまえばいい。 月額基本使用料もオプション料金も端末代も乗り換えにかかった事務手数料も全部。 なぜならとどのつまり「コスト」だから。 極太の赤いゴシックで強調されていようが、そんなことは関係ない。 要は月あたりコストは、携帯が自分の生活にもたらす効果、生産性等を考慮して妥当なのか。 言い方を変えれば、スマホの働き、生産性にたいして支払う給料として妥当かどうか。 割高な道具ならリストラ、すなわち現状を変えることをおすすめしたい。

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本質はただの通信であり固定費。
費用が高いと感じるなら、それはつまり費用に見合った価値がない、
と感じていることになる

結局のところ、ただの「通信費」だ。 電気・ガス・水道・通信費etc. 固定費の1つであることに変わりはない。 なまじ「スマホ」というハイテクっぽいカタチがあるから別枠で捉えがちだが、照明器具、ガスコンロ、シャワーや蛇口と同列のものではないだろうか。 電気やガス、水道のブランドに携帯ほどこだわるだろうか。 あの企業の電気だと肌がキレイに見える、とか、あの企業のガスで作った料理は味がまるで違う、とか言うだろうか。 ガスの配管がアップルのように真っ白で直感的なデザインになればそうなるのだろうか……?

「携帯代が高すぎて……」 という声を聴く度に、 「自分で選択しているからしょうがないよね」 としか言いようがない。

その働き、仕事量、効果量にたいしてコストを支払う電気・ガス・水道料金と同じように通信費を捉えるならば、通信費も安いにこしたことはない。 電気代が半額になる電子レンジ、ガス代が半額になるガスコンロがあれば、フットワーク軽く乗り換え行動に移す人が多いだろうと思う。 携帯料金を冷静に「家計簿視点」でみると、スマホというデバイスにだけステータスの表現という価値を付けるのは、なんともナンセンスな気がするものだ。

コストの構成要素は大きく4つ

携帯料金、そのコストは大きく4つの項目でみることができる。 今回はそのなかでも重要な「データ通信料」にフォーカスしてみたい。 携帯電話に割くコストの大部分を占めるのは、おそらく多くの場合、「データ通信料」と「端末代」ではないだろうか。 携帯電話の存在意義はデータ通信にあり、と言っても過言ではない。

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通信量をどんぶり勘定せず、きちんと把握する

外出時、誰も居なくなる部屋の明かりは消すだろうし、エアコンも切るはず。 水道も使う分だけ蛇口をひねったら後は閉める。 同様に、通信量というものも使う分量をきちんと把握することで、各社さまざまなプランから「エイヤー」でテキトーに選んで無駄なコストを支払い続けるということを回避することができる。 ただ、通信量というものは水やガスの炎のように、その使用量を感覚的に捉えにくいもの。 そこで、通信量を感覚的に捉えられるよう、厳密ではないものの目安になるよう可視化してみる。

通信量の単位を直感的に捉えよう

はじめに、ここから先の説明は、2019年1月に書いているということを前提にしていただきたい。 というのも、テクノロジーは日進月歩、扱うデータはどんどん大きくなっている。 あくまでも現時点の水準で記事を書いているということでご了承を。

まず、1000KB(キロバイト)=1MB(メガバイト)。 この1MBを1つのブロック(立方体)としてみる。 たとえば普段携帯で撮るスナップ写真は、画質にもよるけれど、大体0.5MB~1MBか。 画質やサイズを落とすとどんどん小さくなり、砕けたブロックの破片ぐらいになる。 逆に画質やサイズを上げると、ブロック1個より大きくなっていく。 KB(キロバイト)、MB(メガバイト)、GB(ギガバイト)と単位をまたぐとややこしくなるので、 ここからは、この「1MBブロック」を使って説明してみることにする。

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そして、携帯料金プランでよく出てくる「GB(ギガバイト)」。 1GBはこの場合、ブロック1000個分になる。 2GBのプランであれば、毎月2000個の手持ちブロックが与えられるということ。 これを元に 「自分は毎月いくつぐらいのブロックが必要なのか」 を考えてみよう。

毎月いくつぐらいのブロック(データ通信量)が必要なのか、
自身の使い方でイメージできると便利

スマホで何かアクションを起こす度にブロックを使っているとして、それらを分かりやすく見てみることにしよう。 ここでは、各アクションに要するデータ通信量を大雑把にまとめてみた。 あくまでもデータという見えないものをイメージするための大体の参考として受け止めていただきたい。

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通信量を食うものは「赤」、それほど意識しなくても良いものを「オレンジ」、まったく気にしなくても問題ないであろうものを「青」としてみた。 見てのとおり、消費の大きい順に「動画」「音声」「画像」「テキスト」と分かる。 「赤」の用途が多い場合、ブロック1000個(1GB)では心許ないだろう。 自分が1ヶ月で、どのアクションをどれぐらいの頻度、時間で実行するかをイメージすると、必要通信量が分かるはず。 ちなみに私のように、1日の大半を高速Wi-Fi環境で過ごす人は、そのWi-Fiで通信している間はブロックの消費を止められる。 自身の通信環境も考えて、必要通信量の平均をなんとなくでも把握しておくことで、よりフィットしたプラン選択ができるはず。

端末も見た目やブランドからではなく
用途から選択するのが経済的にも機能的にも合理的

端末に関しては、個人の趣味趣向が選択理由のほぼすべてになっていると思うので余計なことは書かないけれども、 これまでの話の流れを組んで、あくまでもコスト最適化視点で選ぶなら、自身の用途に適ったスペックから選択するのがベターだと考える。 というのも、最近のスマホはノートパソコンより高いものもあり、使い方によってはそのスペックは「無用の長物」、「贅沢品」でしかないケースもありえるからだ。

先述のとおり、携帯料金を最適化するためには「データ通信料」と「端末代金」を最適化することが重要なので、過剰性能の高額なハイエンドモデルを選んでしまうとデータ通信量でどれだけ几帳面にやりくりしたところで意味がない。 ただ、端末という持ち物、グッズに関しては各人こだわりというものがあり、どうしても「りんごのマーク」が入っていないとダメだとかいろいろあるものだから、端末に関してはここまでにしてさらりと終わっておく。

MVNO、格安スマホを上手に利用する

「格安スマホ」というと、なんだか激安と同じニュアンスの「安かろう悪かろう」なイメージをもたれそうな、誤解を生みそうなワードだと思うので個人的にはどうかと思うのだけれども、 そもそもMVNO、格安勢は総務省の政策課題から生まれたようなもので、NTTドコモ、au(KDDIグループ)、ソフトバンクモバイルの3社、いわゆる「三大キャリア」の独占的な状態を緩和するために動き出した、ユーザーにとってはシンプルに旨みのある勢力でもあると考えています。 経済的にも暮れなずむ国内事情において、高い水準のサービスと低価格を実現するMVNOであれば、良い意味での新たなガラパゴス・ジャパン・ケータイとしてプレゼンスを発揮できるのではないか、と考えたりもするものです。

私は「通信費」なら安く抑えて、「趣味や喜び、成長代」にコストを割きたいと常々思っています。 皆さんも、楽しいこと、嬉しいこと、パワーアップすること、たぎること、ワクワクすることに1円でも多く当てて、楽しんでほしいなと思います。 「割高」だと思った時点で、そのコストは「もったいない」という低価値のレッテルが付いているのだから。

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